タイ便り(絵葉書から)⑥
1996.4.2 (火) 晴れ(最高気温40℃以上)
「こんにちは」突然、少年の声がしました。日本語でした。「こんにちは」と返事をすると、彼は恥ずかしそうにちょっと笑いました。
途中で、獲ったばかりの川魚が一杯入った直径50cm位の籠を三つも持ったおばさんが乗り込んできました。車内は20人位いますが、もう満員で外に立って手すりにつかまっている人もいます。
小型トラックの荷台を改造した乗合バスです。客席部分は全て木製です。時速40km位でどこでも停まります。
学校帰りの女子学生たちが次々と降りていきます。少年の番が来ました。こちらから日本語で声をかけました。「さようなら」「こんにちは」
知っている唯一の日本語で挨拶をしてくれた少年の姿がだんだん小さくなっていきます。
頬に心地よい風が当たります。スコータイ遺跡を目指し、ほとんど一直線の田舎道をバスはゆっくりと走り続けます。
Sukhothai にて