アジア、楽園の日々

ラオス、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、インド、モルディブ、シンガポール、中国などに約20年滞在しました。その時に見たり聞いたりしたことをご紹介させていただきます。

ディワリ ~秋から冬へ~ (記:1999年11月6日)

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 窓の外では花火の音が鳴り響いています。日が暮れて間もなく始まりました。

 明日の日曜日(11月7日)はいよいよヒンドゥー教の最大のお祭り、ディワリです。家の周りにろうそくを灯して、神様に捧げます。以前マレーシアにいた時、インド人達がこのお祭りをするということを知って、「どんなに幽玄なものなのだろうか」と想像を膨らませましたが、実際に見る機会はありませんでした。

 今週の街はとても盛り上がっています。丁度、日本のお正月を迎える雰囲気といったらいいでしょうか。日本の暮れのあの寒さと年末のあわただしさはありませんが、買い物をしている人々の表情や活気溢れる街の空気にそれが感じられます。

 一番多く目に付いたのが、ディワリの時に飾る色々な種類のろうそくや油を入れて火を灯すための小さい土器やヒンドゥーの神様に捧げる品々などを売っている店です。

 いつも昼食を食べに行く飲食店(上の写真)の混雑ぶりも大変でした。ここは100人以上座れる広い店ですが、普段テーブルと椅子が並んでいる場所は、全て菓子作りの作業場と化して、食事は外でするようになっていました。作っているのはインドの大変甘いお菓子です。甘党の私もそんなには食べられないという甘さです。これを友人や親戚に配ります。

 果物屋も大繁盛です。店の前の路上にまで数々の果物を並べて贈物用の籠の盛り付けに追われていました。今は果物が少ない時期ですが、林檎、蜜柑、パパイア、グァバ、葡萄、バナナなどが楽しませてくれます。 また、ディワリの時に冷蔵庫やテレビなどを買いかえる習慣もあります。この日の為に1年かけて貯金をして、貧富の別なく必ず何か新しい物を買うそうです。私は小さい土器に入ったろうそくを60個ほど買いました。明日の晩、庭の塀の上に飾ります。

 5月には44℃という熱気に包まれたデリーでしたが、半年経った今はすっかり秋の気配です。日中はまだ33℃ありますが、先月の中頃から朝夕は18℃位になりました。勿論、夜はエアコンは要りません。道路の両側に続いている大木に葉は茂っていますが、さすがに元気がなくなり枯葉が目立ってきました。その下では、焼き芋屋が店開きをしています。

 「気温が下がってきたな」と感じ始めた頃から空気の汚れが気になるようになりました。毎朝India Gate(インド門。第一次世界大戦で戦死した9万人のインド兵士の慰霊碑、高さ42m)の前を通りますが、すぐ近くで見ても霞んでいる日もあります。

 ディワリが済むと、やがて「スモッグと霧と寒さの冬の三重奏」のイントロが聞こえて来ます。


 ※上の写真はディワリの時ではなく、普通の時のもの