アジア、楽園の日々

ラオス、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、インド、モルディブ、シンガポール、中国などに約20年滞在しました。その時に見たり聞いたりしたことをご紹介させていただきます。

東経121°33′17.0″北緯38°49′14.0″(中国・大連)

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 中山広場の中心にこの遼寧省測量局の「測量基準点」はある。この直径約76センチ、真鍮製の基準点の真ん中に立って周りを一回り見回すと何故かしら重厚で荘重な気分にさせられる。
 今から10年前に初めて大連を訪れたとき、一日仲間と一緒に観光バスで大連市内を回ったことがある。そのとき重厚な感じに圧倒されたのがこの円形の中山広場を囲むようにして建っている建築物の群れだった。バスで一回りしただけだったが、印象に残っている。そのときは中山広場の名前も知らず、ただ大きな円形の道を走った記憶だけがある。昨年、大連に赴任して時間があるときに中山広場の周りをゆっくり歩きまわったが、そのときに「ああ、ここだったんだ!」と10年前のことが鮮やかによみがえってきた。
 日本統治時代に建てられた欧風建築物が広場を囲むように残っており、今も中華人民共和国の各機関に利用され、現役の建物として活躍している。まず大連賓館(旧ヤマトホテル)を正面に見て、時計回りに順番に見ていくと、遼寧省対外貿易経済合作庁(旧大連警察署)、中国工商銀行(旧朝鮮銀行大連支店)、郵政局(旧関東通信局)、中国銀行遼寧省分行(旧横浜正金銀行大連支店)、中信実業銀行(旧中国銀行)、中国交通銀行(旧東洋拓殖大連支店)、中国工商銀行(旧大連市役所)等々が目に飛び込んでくる。ざっと見回しただけでも大連の歴史の一部がまざまざと実感できる。
 「測量基準点」というと無味乾燥な地理上の一つの地点のように思われるが、決してそうでないことがよく分かった。「測量基準点」はその土地の歴史を語ってくれる。世界中には一体いくつの「測量基準点」があるのだろうか。何万、何十万、、、とあることだろう。将来、膨大な時間とお金ができたら、そして、そのときに十分な体力が残っていたら、「世界・測量基準点巡りの旅」をしてみたいものだと思っている。

(撮影日:2007年8月14日)